品雄さんが教えるHow to study.

大学受験の勉強法について解説します。基本は文型科目です。

世界一わかりやすい英文法解説3-2 完了形

皆さんこんにちは!前回は時制の中でも基本である現在・過去・未来の3つを扱いました。今日は完了形についてみてみましょう。

そもそも完了形には3つあります。現在完了、過去完了、未来完了です。それぞれ順を追って解説していきます。

 

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〈目次〉

  1. 現在完了
  2. 過去完了
  3. 未来完了

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1.現在完了

現在完了の基本はhave+Vp.p.(動詞の過去分詞形)です。haveは3人称単数であればhasになります。現在完了の核心は「現在」です。これを念頭においてください。また、現在完了には4つの意味があります(経験、結果、完了、継続)。それを一つずつ見ていきましょう。

 Ex.1-1)I have been to Kyoto for two times.(私は京都に二回行ったことがある。)

 Ex.1-2)She has gone to Canada.(彼女はカナダに行ってしまった。)

 Ex.1-3)I have just finished this assignment.(私はちょうどその課題を終わらせた。)

 Ex.1-4)They have lived in Kyoto for five years.(彼らは京都に5年間住んでいる。)

上の4つの意味がそれぞれの文に対応しています。

例文1は経験です。「(今までに)~したことがある」と訳します。経験なので後ろに「回数」を表す単語をセットで置きます(once, twice, three times, beforeなど)。疑問文は「Have you (ever)Vp.p.~?」で、Yesの時は「Yes, I have.」、Noの時は「No, I haven‘t.」もしくは「No, I never have」を使います。

例文2は結果です。「~してしまった(結果、今も~だ)。」と訳します。例えば、「She went to Canada three years ago.」であれば「彼女は3年前にカナダに行った」となり、今はカナダにいるかもしれませんし、日本にいるかもしれません。どこにいるかについてはこれではわかりません。しかし、「She has gone to Canada.」は「彼女はカナダに行ってしまった(結果、今もカナダにいる)。」となります。これが先ほど述べた現在完了のコアである「今」が主体、ということです。

例文3は完了です。「~したところ」と訳します。よくjust, already, yet([疑]で「もう」、[否]で「まだ」)などとセットで用いられます。疑問文は「have you ~ yet?」、Yesの時は「Yes I have」、Noの時は「No I have‘t.」もしくは「No not yet.」になります。完了を表す現在完了動作動詞の中でも「開始・終了」「(電車やバスなどの)発車・出発」などの意味を表す言葉を使うことが多いです。

例文4は継続です。「(今まで)ずっと~である」と訳します。後ろに「期間」を表すfor, sinceを使います。forは数字、sinceは過去の一点を表す語句がきます。疑問文は「How long have~」です。ここで覚えてほしいのが、現在完了の継続用法は必ず「状態を表す動詞」を使うことです。動作を表したいときには「現在完了進行形」を使います。これについては2つ後の記事で書くつもりです。

ここでクイズです。以下の和文を英語にしてください。

「私は中学生の時、フランスに行ったことがある」

(翻訳ソフトを使うのはやめましょう。このまま翻訳すると間違えた答えが出てきます。)

 

現在完了は先ほども述べた通り「現在」に重点を置きます。そのため「明確に過去を表す表現」とセットで使うことはできません。以下に挙げる単語は現在完了では使えません。

・~ago ・yesterday ・last ~ ・when S V ・in/on/at(時間を表す表現)

さて、先ほどのクイズに戻ります。「中学生の時」という明確に過去を表す表現が来ているので、これは過去形を使いましょう。「~したことがある」という表現があるからといって、すぐ現在完了と飛びつくのはやめましょうね。

答え)I went to France when I was a junior high school student.

 

2. 過去完了

過去完了とは何でしょうか。過去形との違いは?と考える人も多いかもしれません。ここでは「過去のさらに過去」から「過去」までのお話になります。わかりやすいように下にイメージを載せます。基本形は「had+Vp.p.」です。

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過去完了のイメージ

過去完了には大きく分けて4つの用法があります。完了、経験、継続、大過去です。前の3つは基本的には現在完了を過去にしたものです。例文は載せますが、具体的な解説は省略します。

 Ex.2-1)The soccer game had already started when I got home.

   (家に着いた時には既にサッカーの試合が始まっていた。)

 Ex.2-2)I had seen the miniature of Eiffel Tower before I visited France.

      (フランスに訪れる前にエッフェル塔のミニチュアを見たことがある。)

 Ex.2-3)She had lived in Kyoto before she came to Tokyo.

   (彼女は東京に来る前は京都に住んでいた。)

 Ex.2-4)I thought that She had gone to France.

   (彼女はフランスに行ってしまったと思った。)

例文1~3についてはそれぞれ現在完了と同じです。ただし現在完了の時に使えなかったwhenやbeforeなどは過去完了の時は使うことはできます。また過去完了は過去の「実現しなかった」もの(仮定法過去完了)についても使うことが出来ます。仮定法については後程の記事で書くのでお楽しみに!!

例文4を見てください。これが大過去です。大過去とは「過去のさらに過去」のことであり、過去の中の順番関係を表すために使います。この文であれば「フランスに行くこと」と「私が思ったこと」の2つの要素がありますね?その順序関係を明確にするために片方を大過去にするのです。ですので、過去に起こったことを単に並列させる場合や時を表す接続詞beforeやafterなどが来るときは単純に「過去形」を使いましょう。

時制の一致を受けて過去形が大過去になる場合があります。例えば「彼は私に『愛している』と言った」という文章は「He said that he had loved me.」という風になりますね。ただし時間の前後関係が明白なときは過去形を使います。例えば「私は生まれた町へと帰った」という文章は「I get back to the town where I was born.」となります。

 

3. 未来完了

過去完了とは何でしょうか?聞いたこともないよ。大丈夫です。未来完了は現在完了の「現在」と「過去」の関係を「未来」と「それ以前」にそのまま動かしたものになります。わかりやすいように下にイメージを載せます。基本形は「will+have+Vp.p.」です。

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未来完了のイメージ

過去完了には大きく分けて3つの用法があります。完了、経験、継続です。例文です。

 Ex.2-1)The soccer game will have already started when I get home.

            (家に着く時には既にサッカーの試合が始まっているだろう。)

 Ex.2-2)I will have visited France five times if I visit it again.

      (フランスをもう一度訪れれば私はそこに5回行ったことになる。)

 Ex.2-3)They will have been married for 5 years next month.

   (彼らは来月で結婚5周年になる。)

未来完了で気を付けてほしいことがあります。それは「時と条件を表す副詞節中では未来のことも現在形を使う」ということです。例えば例文2のif I visit it againというのは未来のことなのにwillは使っていませんよね。それは間違いではありません。

時や条件を表す副詞節には以下のようなものがあります。

   〈時〉when, (un)till, before, after, next time

〈条件〉if, unless, in case, as soon as

 

さて、完了形について長々と述べてきましたが、これで一通り説明が終わりました。次回は進行形についての記事になります。お読みいただきありがとうございました。