世界一わかりやすい英文法解説4-5 助動詞と時制
皆様こんにちは!前回はwillやused to doについてお話ししましたね。今回は助動詞の中でも皆さんが最も苦手と感じる「時制」付きの助動詞について話したいと思います。
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〈目次〉
- 大前提
- 過去の推量
- 過去の行動に対する後悔、非難
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大前提として、以下のことをおさえておいて下さい。
・助動詞は必ず「動詞」の「原形」を後ろに取る。
・must, may, can, shouldの意味がすべてわかる。
・推量の助動詞は過去形にすると意味が弱まる(ただしmust, shouldは過去形がない)
・現在完了が分かる
この記事はこれを前提に話を進めます。一つでもわからないものがあれば、過去の記事に戻ってください。
過去の推量
まずは「過去形」「現在完了形」のおさらいです。過去形は動詞を過去形にすることで表すことができますね。また、現在完了形は「完了」「結果」「経験」「継続」の4つの意味がありましたね。ここまではおそらく皆さんも理解できるはずです。そして今日新しく覚えてほしいことが「何らかの事情があり、過去のことを言いたいのに過去形が使えない時は、現在完了形を使って代用することができる」ということです。「何らかの事情とは?」と思った方も多いでしょう。ここで例文を使うので考えてみてください。
「彼は昨日までに宿題を終わらせなければならなかった。(mustを使って)」
「過去形にしたいなら動詞を過去形にすればいいじゃないか!」と言わないでくださいね。先ほども述べた通り助動詞は必ず「動詞」の「原形」を後ろに取るのでmust+動詞の過去形という形にはできません。「だったらmustを過去形にすれば・・・」mustは過去形にできませんね。さて、手詰まりです(将棋か!?)。そうです、こういう時に現在完了を使って代用するのです。どうして現在完了が使えるのでしょうか?簡単な足し算です。
助動詞 + 動詞の原形
+) have/has + Vp.p.
助動詞 + have + V.p.p
わかりましたか?こう考えると単純ですよね。haveやhasの原形はhaveなので見かけ上は「助動詞+過去分詞」ですね。これを詳しい解説なしに「助動詞を過去形にできない時は助動詞+過去分詞だ!簡単だろ、ガハハ!」と解説されるので訳が分からなくなるのでしょう。ですので、先ほどの例文も・・・
must + 動詞の原形
+) have/has + Vp.p.
must + have + V.p.p
となり、He must have finished his homework by yesterday.となります。理解できたでしょうか?それでは他の助動詞についても例文で見てみましょう。
Ex.1-1)He must have finished his homework by yesterday.
(彼は昨日までに宿題を終わらせなければならなかった。)
Ex.1-2)I may /might have forgot[forgotten] my PC at home.
(家にパソコンを忘れたかもしれない。)
Ex.1-3) I can’t /couldn’t have made such a mistake.
(私がそんな間違いをしたはずがない)
Ex.1-4)Ken should /ought to have taken a bath by now.
(ケンは今頃、風呂に入っているはずだ。)
それぞれの助動詞(推量)があらわす意味の本質は原形の時と変わりません。過去形に変えるだけです。ですから
must ・・・~したに違いない
may(might)・・・~したかもしれない
can(could)・・・~した可能性がある
cannot(couldn’t)・・・~したはずがない
should(ought to)・・・~したはずだ
どうですか?すべて過去に変えただけですよね。
過去の行いに対する後悔、非難
これは仮定法的なニュアンスですが、助動詞+過去分詞を使って過去の行いに対する後悔や非難を表すことができます。形の上では先程のと全く同じです。
Ex.2-1) I could have received treatment.
(私はその治療を受けられたのに(受けなかった)。)
Ex.2-2)Ken should /ought to have taken the train.
(ケンはその電車に乗るべきだったのに(乗らなかった)。)
Ex.2-3)I shouldn’t have bought it.
(私はそれを買うべきではなかったのに(買ってしまった)。)
Ex.2-4)You might have called me.
(私に電話してくれてもよかったのに(電話しなかった)。)
このように肯定文の時は「~たのに(しなかった)」、否定文の時は「~なかったのに(した)」と訳すといいです。
ここで一つ問題になってくるのが過去の推量と後悔・非難の見分け方についてです。まず覚えておいてほしいのは、無生物が主語になった場合は過去の推量になる確率が高いことです。ですが、人が主語の時は明確な見分け方は残念ながら存在しません。完全に文脈による判断になってしまいます。たくさん解いて慣れましょう。最後に例文を載せます。
Ex.1-1)He must have finished his homework by yesterday.
(彼は昨日までに宿題を終わらせなければならなかった。)
Ex.1-2)I may /might have forgot[forgotten] my PC at home.
(家にパソコンを忘れたかもしれない。)
Ex.1-3) I can’t /couldn’t have made such a mistake.
(私がそんな間違いをしたはずがない)
Ex.1-4)Ken should /ought to have taken a bath by now.
(ケンは今頃、風呂に入っているはずだ。)
Ex.2-1) I could have received treatment.
(私はその治療を受けられたのに(受けなかった)。)
Ex.2-2)Ken should /ought to have taken the train.
(ケンはその電車に乗るべきだったのに(乗らなかった)。)
Ex.2-3)I shouldn’t have bought it.
(私はそれを買うべきではなかったのに(買ってしまった)。)
今回は以上です。次回は助動詞のまとめ回になります。ここまでお読みいただきありがとうございました。